【15禁】「悪の経典 Lesson of the evil 上 」を読んで妻が殺人鬼のファンになる ネタバレあり
- 2018.11.10
- 読書
どーも。ダークマターがり屋です。
今回は2012年に映画が公開され話題となった「悪の経典」の原作(文庫本)を読んだので、レビューしたいと思います。
「悪の経典」の文庫本は上巻と下巻があり今回は上巻のレビューになります。
※少々ネタバレがあります
「悪の経典」
『悪の教典』(あくのきょうてん、英表記:Lesson of the Evil)は、貴志祐介による日本の小説作品。サイコキラーという裏の顔を持つ教師が引き起こす事件を描いたサイコ・ホラーである。第1回山田風太郎賞受賞作、第144回直木三十五賞候補作、第32回吉川英治文学新人賞候補作、2011年本屋大賞ノミネート作。
Wikipediaより引用
主人公は蓮実聖司(あだ名はハスミン)という人気教師で、かなりのハイスペック人間、パーフェクトヒューマンであります。
パーフェクトヒューマンが完全犯罪を遂行していくのです。
人気教師とサイコキラーという二つの顔を持った彼の魅力に皆さんも引き込まれること間違いないです。
評価・感想
初めに言っておくべきでした。
僕が小説を読むのはこれが人生で二冊目です。
全然小説読まない僕が小説を評価するなんておこがましいにも程がありまふ。
おこがまし過ぎて誤字っちゃうぐらいです。
でも評価します。
結果、めちゃめちゃ面白かったです!←語彙力皆無
小説を全然読まない僕ですが、「悪の経典」は読んでいて話に引き込まれていく面白さがありました。
この先どうなっていくんだろう、蓮実聖司はどうやって困難を乗り越えて行くんだろうかと。
まあ蓮実聖司の完璧さには嫉妬しますよ。
時々ミスをするんですが、それでも何とか乗り切ってしまうのが腹立たしい。
第一章
物語は二羽のカラスが登場するところから始まります。
作中の初めから最後までカラスが登場するので作品のキーというか何かの象徴になっていると思うのですが、僕には全然わかりません。
そういうとこ鈍感なので。(ハナホジ−)
カラスの鳴き声で叩き起こされた蓮実聖司は早朝ランニングがてら大家さんの犬にハンバーグを与えます。
この時点で蓮実聖司が計画的に犯行におよんでいることがわかります。
ハンバーグには玉ねぎが入っていますよね。
犬を飼っている人なら知っていると思いますが、犬に玉ねぎは禁物です。
玉ねぎに含まれるアリルプロピルジスルファイドという成分が動物の体内に入るとヘモグロビンが酸化するため溶血性貧血を引き起こし最終的に死に至ってしまいます。
一見エサを与えて手懐けるのかと思いきや実は…
蓮実聖司の恐ろしさが表れてますね。
物語は進み蓮実聖司の勤めている高校の話になります。
蓮実聖司の勤めている高校はいじめ・セクハラ・集団カンニングなど問題だらけです。
しかし持ち前の頭の良さと巧みな話術で問題を次々に解決していきます。
学年の問題児を集めたクラスの担任であり生徒指導も行う。
周囲の信頼は計り知れないものとなっていました。
全ては自分の思うままにするために。
・読み進めていく中で生徒・教師達の特徴が書かれているので人物像が想像しやすく、物語に入り込めるのも良い点だと思いました。
第二・三章
ここで驚いたのは蓮実聖司の徹底ぶりです。
自宅のパソコンにクラスの相関図を作っており、生徒一人一人のポジションを把握しているのです。
事あるごとに更新し、より正確なものに作り上げています。
そこまでする⁉︎と思いましたが、そこはパーフェクトヒューマンの考えであって僕のような凡人には到底理解できない領域なのでしょう。
より完璧に、全ては自分の思うままにするために。
第三章、ここで蓮実聖司が生徒の親(モンスターペアレント)を消します。
映画にもあった猫よけ用の水を灯油とすり替えて放火するやつです。
僕はここで蓮実聖司が「事件当日、生徒は外出中で助かったことに心から安心した。」という内容があり、根っからの悪ではないのでは?と思うようになりました。
いや、やってることは根っからの悪なんですけどね!
ドス黒い!実にドス黒い!
あと第三章で蓮実聖司が生徒に刺されそうになるが、こうなることを想定しており予め防刃チョッキを着用していて助かる場面があり、蓮実聖司の抜かりのなさがわかります。
パーフェクトヒューマン過ぎて憎たらしい!
第四・五章
第四章から蓮実聖司の過去が明らかになってきます。
どうやって今の蓮実聖司が形成されたのか。
幼い頃から周りと考えが違っており悩んでいた。
いろいろな失敗を重ねながら学び、完成形へと近づいていく。
ビジネスマンに置き換えると最高の人材だと思いますが、蓮実聖司は殺人鬼です。
そこは間違えないように。
第五章では蓮実聖司が鼻歌にするほどお気に入りの曲「モリタート(殺人物語大道歌)」の歌詞が書かれています。
「モリタート」はドイツの音楽劇である三文オペラの劇中歌で、アメリカでは「マック ザ ナイフ」という曲名でカバーされています。
映画でもメインのところで「マック ザ ナイフ」が使われています。
「マック ザ ナイフ」はオペラの「モリタート」と違いジャズなので、曲調も異なり歌の印象が変わりますね。
モリタートの動画を貼っておきますね。
悪の経典のストーリーと相まって不気味です。
https://m.youtube.com/watch?v=BwAd83U8yfg
第六章
この章では蓮実聖司の敵である釣井教諭にスポットが当てられます。
釣井教諭も不気味な雰囲気を漂わせており、ただ者ではない感があります。(相変わらずの語彙力である)
釣井教諭も相当な悪者です。
グラフィックメモリー(映像的記憶)能力を持っているのも興味深いポイントです。
蓮実聖司にとっては厄介な存在であります。
蓮実聖司と釣井教諭の戦いも見ものですね。
「悪の経典 上」を読み終えて。
蓮実聖司の視点だけでなく登場人物それぞれの視点も描かれているところがあり、飽きずに読み進めることができました。
というか物語にのめり込みました。笑
やはり蓮実聖司のパーフェクトヒューマンぶりには感心します。
僕の妻はハスミンファンになってましたね。
サイコパス気質なのかな?(震え声)
僕は下巻を読み終えてもハスミンファンにはなれませんでしたね。
いやもう人殺しの時点で無理ですよ。
ハスミンどうにかやられねーかなーなんて思いながら読み進めていました。笑
続きである下巻のレビューも書きました。
では、健全なる人生を。
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