【15禁】「悪の経典 Lesson of the evil 下」 読書レビュー

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どーも。ダークサイドがり屋です。

 

前回「悪の経典 上」のレビューを書きまして、

 

 

gariya9.hatenablog.com

 

今回は下巻のレビューを書きたいと思います。

 

*ネタバレあります。

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「悪の経典」ってどんな話?

前回の記事にも書いたのですがもう一度どんな小説なのか説明を引用します。

『悪の教典』(あくのきょうてん、英表記:Lesson of the Evil)は、貴志祐介による日本の小説作品。サイコキラーという裏の顔を持つ教師が引き起こす事件を描いたサイコ・ホラーである。第1回山田風太郎賞受賞作、第144回直木三十五賞候補作、第32回吉川英治文学新人賞候補作、2011年本屋大賞ノミネート作。

Wikipediaより引用

 

主人公は蓮実聖司(通称ハスミン)という人気教師なのですが、邪魔者は簡単に排除してしまうサイコキラーなのです。

 

そんな彼が起こす事件の中での生徒や他の教師達とのやり取りを描いた作品です。

 

評価・感想

これまた前回も書きましたが、僕が小説を読むのはこの作品で三冊目です。(悪の経典 上 で二冊目です。)

 

まだまだ小説初心者ですが評価・感想を書かさせていただきますね。

 

内容は上巻同様に悪の経典の世界に引き込まれるほど面白かったです。

 

下巻は映画の最大の見せ場であったクラス全員排除作戦があるので上巻よりも読み応えがあったかなと思います。

 

相変わらず蓮実聖司のパーフェクトヒューマンぶりは気に入りませんが。(嫉妬)

 

第七章

上巻が第六章で終わっているため下巻は第七章から始まります。

 

第七章では蓮実聖司がある生徒を手にかける話です。

 

すでに一部の生徒は蓮実聖司の怪しさに感づいており、蓮実聖司の過去を調べていました。

 

そんな中、一人の生徒が学校に盗聴器があるのではと夜の校舎に忍び込みます。

 

そこで生徒が見たものとは。。。

 

 

いやぁことごとく運がいいといいますか、運も見方につけるほどパーフェクトヒューマンなんですよね蓮実聖司という男は。

 

第八章

章の始めにモンティ・ホール問題が出てくる。

 

何だそれは。

 

モンティ・ホール問題(モンティ・ホールもんだい、英: Monty Hall problem)とは、確率論の問題で、ベイズの定理における事後確率、あるいは主観確率の例題のひとつとなっている。モンティ・ホール(英語版) (Monty Hall, 本名 Monte Halperin) が司会者を務めるアメリカのゲームショー番組、「Let’s make a deal(英語版)[1]」の中で行われたゲームに関する論争に由来する。一種の心理トリックになっており、確率論から導かれる結果を説明されても、なお納得しない者が少なくないことから、ジレンマあるいはパラドックスとも称される。「直感で正しいと思える解答と、論理的に正しい解答が異なる問題」の適例とされる。

Wikipediaより引用

 

Wikipediaの説明読んでも全くわからん。

 

作中に登場する例題を使って説明します。

 

A,B,C、3つの扉がありまして、そのうち1つの扉の奥には豪華商品があります。

あなたがAを選んだとします。

Aを選んだ後に正解を知る者がハズレであるBの扉を開けてみせました。

この時、扉を選びなおしてCにした方が正解する確率が高いという内容です。

 

いやいや、そんなん確率変わらないでしょ!って思うかも知れません。

僕も思いました。

 

始めの状態では当たる確率は3分の1なので33.3%ですね。

これでAを選んだ後にBが減ります。

残りの選択肢はAかCです。 

ここでAのままだと確率が33.3%の時(一番始め)に選んでいるので正解する確率は33.3%のままです。

しかしCに選びなおせば開けられたBと残りのCの両方を選んだことになるので、正解率が66.6%となります。

 

いや、扉が2つになった時点で確率は50%でしょ!って思いますよね。

僕も思いました。

 

この問題は調べると解説している人が沢山いるので興味がある人は一度調べてみてはいかがでしょうか。

 

話題がだいぶそれてしまいました。

 

第八章では再び蓮実聖司の過去の話がありました。

 

なんと蓮実聖司は一度大敗を喫すといいますか、

蓮実聖司を上回る強者がいたのです!

 

これはスカッとジャパンでしたね。

そのまま成敗されてしまえと思いながら読んでいました。

残念ながら追放されるだけでしたが。

 

第九・十章

いよいよ始まります。

 

そうです。

 

あの校舎でのクラス全員排除作戦です。

 

自分が生徒だったらどうするだろう。

 

どこかに隠れるけどすぐ見つかって終わりなんだろうな。笑

 

蓮実聖司の集大成ですかね。出てますよ。運の良さも。(まったく憎たらしい)

 

そんなこんなでクラス全員排除作戦は完了?終了します。

 

第十一章

この章では「連続殺人鬼と大量殺人鬼は似て非なるものである。」という文があります。

 

蓮実聖司がどちらなのかは今一わかりませんでした。

 

ただ、上巻から読み進めていると蓮実聖司は殺人が好きなのではないことがわかります。

 

犯行前もいろいろなパターンを考えます。軽いものから重いものまで。

必要があれば手を下す。そしてそれを確実に実行する。

 

そういったところに惚れてハスミンファンになる人もいるのではないかとも思いました。

 

いや他人に危害を加えている時点でアウトですけどね!

 

この章で蓮実聖司は逮捕されます。

 

第十二章、そして秘密

第十二章は蓮実聖司の逮捕後の話です。

 

逮捕されてもなお恐怖を与え続ける存在でありますね。

恐ろしい男ですよ。

 

あれだけ頭がいいと脱獄でも何でもできそうですもんね。

 

秘密という章は蓮実聖司が以前就任していた高校の生徒同士のやりとりなんですが、感動するといいますか、ジーンと来るものがあります。

 

蓮実聖司め。

 

アクノキョウテン、映画監督の感想

最後の方はお遊び話と「悪の経典」の映画監督である三池崇史さんの感想というか考察?が書かれていました。

 

三池崇史さんの考察を読んで、今作品の面白さが深まりました。

 

「悪の経典 Lesson of the evil 下」を読み終えて まとめ

結局最後まで蓮見聖司の虜になることはありませんでしたが、魅力があることは悔しいけれど認めます。←何様なのか。

 

人が不満を抱えていることを蓮実聖司はいとも簡単に消してしまう能力を持っています。

 

自分の思い通りにできることは誰もが羨むことでしょう。

蓮実聖司はそれができてしまいます。

 

この作品は現実離れしているところと現実的なところをうまく混ぜてあり読者を引き込む魅力があると思います。

 

何度か読み返したらさらに内容に対しての考えが深まりそうです。

 

面白い作品ですので、是非読んでみてください。